【3/19~3/25】「兵糧攻め」を必要としない世界を願う ロシア制裁の激震

【3/19~3/25】「兵糧攻め」を必要としない世界を願う ロシア制裁の激震

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「経済ニュースを毎日チェックする時間がない」「先週何があったのか、さくっと知りたい」。日々を忙しく過ごす20~30代のビジネスパーソン向けに、朝日新聞デジタルが配信した先週の経済ニュースをまとめました。経済報道の現場をみつめる朝日新聞経済部長からのコメントとあわせてお届けします。 

先週(3月19日~3月25日)の主な経済ニュース

■スズキ、インドにEV・電池工場建設へ 約1500億円投資(3月19日)

マルチ・スズキが公開したEVコンセプトカー「eサバイバー」=2018年2月7日、朝日新聞社
マルチ・スズキが公開したEVコンセプトカー「eサバイバー」=2018年2月7日、朝日新聞社

スズキは3月20日、インドで電気自動車(EV)やEV用の車載電池を生産する工場の増強や建設に、約1500億円(約1044億ルピー)を投じると発表しました。2025~26年の稼働を目指します。記事はこちら

■FRB議長、5月「0.5%」利上げ可能性に言及 インフレを抑制(3月21日)

アメリカの中央銀行にあたるアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は3月21日、5月に予定する連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を「0.5%」引き上げる可能性を示唆しました。FRBは今月、約3年ぶりとなる利上げに踏み切ったばかり。米国で加速する物価上昇を抑制するため、引き締め策を強化する構えです。記事はこちら

■公示地価2年ぶり上昇 前年比0.6%、コロナ禍の影響和らぐ(3月22日)

東京・浅草の雷門=2022年3月15日、東京都台東区、朝日新聞社
東京・浅草の雷門=2022年3月15日、東京都台東区、朝日新聞社

国土交通省は3月22日、2022年1月1日時点の公示地価を発表しました。住宅地や商業地、工業地を合わせた全用途の平均は前年より0・6%上がり、2年ぶりに上昇に転じました。新型コロナウイルスの感染拡大で6年ぶりに下落した前年に比べて影響がいくぶん和らぎ、経済活動の回復に向けた期待感から地価も持ち直す動きが目立ちました。記事はこちら

■円、対ドルで一時120円台まで下落 6年1カ月ぶり 金利差受け(3月22日)

3月22日の外国為替市場で対ドルで円安が加速し、一時、2016年2月以来、6年1カ月ぶりとなる1ドル=120円台をつけました。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が3月21日の講演で、アメリカの金利を上げるペースを早めると発言したことから、日米の金利差が拡大。円を売ってドルを買う動きが広がったとみられます。記事はこちら

■スタバ値上げへ ラテやフラペチーノなどほぼ全商品、4月13日から(3月22日)

東京都内のスターバックスの店舗=2020年5月26日、朝日新聞社
東京都内のスターバックスの店舗=2020年5月26日、朝日新聞社

スターバックスコーヒージャパンは3月22日、ほぼすべての商品を値上げすると発表しました。その幅はコーヒーやラテ、フラペチーノなどの定番商品の7割では10~55円ほど、コーヒー豆では90~300円ほどです。値上げは約1700ある国内全店で4月13日から実施。物流費や原材料価格が高騰しているためといいます。記事はこちら

■「兵糧攻め」で進むロシアの物価上昇 欧米日にも「反作用」(3月24日)

食費か暖房費かの選択を迫られるほど市民は追い込まれていると訴えるデモ参加者=2022年3月5日、ロンドン、朝日新聞社
食費か暖房費かの選択を迫られるほど市民は追い込まれていると訴えるデモ参加者=2022年3月5日、ロンドン、朝日新聞社

ロシアのウクライナ侵攻から1カ月で、世界経済の景色は大きく変わりつつあります。米欧主導の経済制裁はロシア経済だけでなく、原油や小麦などの価格高騰を通じ、日本を含む世界中の人々の生活にも影響を与え始めています。今後も世界経済からロシアを切り離す動きは加速するとみられ、国際的な経済の枠組みも変化しそうです。記事はこちら

■「極めて遺憾」「厳正に対処」 鈴木俊一金融相、SMBC日興事件で(3月25日)

SMBC日興証券をめぐる株価操作事件について、鈴木俊一金融相は3月25日の閣議後会見で「極めて遺憾なこと」と述べました。同社が不公正な取引を組織的に行ったと疑われている点について、「市場の信頼を揺るがしかねない事態」と批判。「捜査の動向を踏まえて、必要に応じて厳正に対処してまいりたい」と話しました。記事はこちら

 

経済部長から「『兵糧攻め』を必要としない世界を願う」

◎注目ニュースは「ロシアの物価上昇(3月24日)」などウクライナ侵攻関連

ウクライナに侵攻したロシアに制裁をかけて世界経済から切り離そうとすれば、そのひずみは地球全体の暮らし、私たちの暮らしに広がります。

「兵糧攻め」の記事には、ロシアにとどまらないエネルギー価格の急上昇、穀物や食料品価格の値上がりの背景がわかりやすく書かれています。日本でも値上げはスタバに限らず、街のパン屋さんなども含めて、あちこちで見られる光景となりました。

ふだん買っているモノやサービスの値段が上がっていく「インフレ」に対応するために、ヨーロッパやアメリカの中央銀行は利上げに踏み切り、1ドル=120円台の円安が進んでいます。今週の注目記事7本のうち4本が、ウクライナ侵攻と切っても切れないニュースです。

「兵糧攻め」を必要としない平和な世界が一日も早く訪れることを、祈るばかりです。
     ◇
4人交代で執筆してきました「経済部長から」は、今回で終わります。これまでのご愛読、本当にありがとうございました。

(朝日新聞東京本社経済部長・伊藤裕香子)

 

(このシリーズは今回で終わります)

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