【3/5~3/11】無理な生産は現場負担に。春からは「量よりも安定生産」が明暗を分ける

【3/5~3/11】無理な生産は現場負担に。春からは「量よりも安定生産」が明暗を分ける

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「経済ニュースを毎日チェックする時間がない」「先週何があったのか、さくっと知りたい」。日々を忙しく過ごす20~30代のビジネスパーソン向けに、朝日新聞デジタルが配信した先週の経済ニュースをまとめました。経済報道の現場をみつめる朝日新聞経済部長からのコメントとあわせてお届けします。 

先週(3月5日~3月11日)の主な経済ニュース

■ビザとマスター、ロシア国内での事業停止 国際金融からの遮断に拍車(3月6日)

アメリカ・クレジットカード大手のビザとマスターカードは3月5日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアでの事業を停止すると発表しました。ロシア中央銀行への制裁や、大手行の「国際銀行間通信協会(SWIFT〈スイフト〉)」からの排除に続く動きで、ロシア経済の国際金融からの遮断が一段と進むことになります。記事はこちら

■沖縄復帰50年の記念硬貨発行へ 財務省、1万円金貨と1000円銀貨(3月8日)

沖縄復帰50年の記念1万円金貨のデザイン=2022年3月8日、東京・霞が関の財務省、朝日新聞社
沖縄復帰50年の記念1万円金貨のデザイン=2022年3月8日、東京・霞が関の財務省、朝日新聞社

今年が沖縄の本土復帰50周年にあたることを記念した1万円金貨と1000円銀貨を財務省が発行します。価格は金貨が税込み15万3500円、銀貨が同1万1700円。記念式典のある5月15日から、造幣局で申し込みを受け付けます。記事はこちら

■アップル、iPhone廉価版「SE」の新作を発表 チップなど改善(3月9日)

アップル丸の内店=2021年9月、東京・丸の内、朝日新聞社
アップル丸の内店=2021年9月、東京・丸の内、朝日新聞社

アメリカ・アップルは3月8日のオンラインでの発表会で、iPhone(アイフォーン)の廉価版「SE」、iPad(アイパッド)の軽量型「エア」の新作を発表しました。「SE」は米国で429ドルから、「エア」は599ドルからで、いずれも3月18日に発売されます。記事はこちら

■輸入小麦価格、17.3%引き上げへ 過去2番目の高値(3月9日)

収穫が終わった小麦畑が幾層にも広がる=2013年9月、アメリカ・オレゴン州、朝日新聞社
収穫が終わった小麦畑が幾層にも広がる=2013年9月、アメリカ・オレゴン州、朝日新聞社

政府は4月から、輸入した小麦を製粉業者などに売る時の価格を今より平均17.3%引き上げます。対象の5銘柄の平均価格は1トンあたり7万2530円で、過去2番目の高値となります。農林水産省が3月9日発表しました。小麦粉やパン、麺類などの食品のいっそうの値上げと、家計の負担増につながりそうです。記事はこちら

■GDP2次速報、下方修正、年率4.6%増に 10~12月期(3月9日)

内閣府の庁舎=2020年9月、東京都千代田区、朝日新聞社
内閣府の庁舎=2020年9月、東京都千代田区、朝日新聞社

内閣府が3月9日公表した2021年10~12月期の国内総生産(GDP)の2次速報は、物価変動を除いた実質(季節調整値)で前期比1.1%増、年率換算で4.6%増となり、2月に公表した1次速報(年率5.4%増)から下方修正されました。外食や鉄道の利用が、1次速報時点の想定より下回り、GDPの約半分を占める個人消費が下ぶれしたのが主な要因のようです。記事はこちら

■トヨタ社長「計画を現実に即したものに」 4~6月は生産引き下げへ(3月9日)

トヨタ自動車のロゴ=2019年10月、東京都江東区、朝日新聞社
トヨタ自動車のロゴ=2019年10月、東京都江東区、朝日新聞社

トヨタ自動車は3月9日、4~6月の世界生産についてこれまでの計画を引き下げる方針を明らかにしました。昨年8~10月の大幅減産を取り戻すため、生産を増やす挽回(ばんかい)生産をはかっていますが、足元ではコロナ禍や世界的な半導体不足の影響で計画に届かないケースが続いていました。豊田章男社長が3月9日にあった春闘の労使交渉の場で、「足元の生産計画を現実に即したものに見直す」と表明しました。記事はこちら

■企業物価9.3%上昇、過去最大の伸び 原油高騰など影響(3月10日)

日本銀行が3月10日に発表した2月の国内企業物価指数(2015年=100、速報値)は、前年同月より9.3%上昇し、比較可能な1981年以降で最大の伸びとなりました。ウクライナ情勢の緊迫化で原油価格が上昇したことなどが影響しました。記事はこちら

 

経済部長から「無理な生産は現場負担に。春からは『量よりも安定生産』が明暗を分ける」

◎注目ニュースは「トヨタ社長『計画を現実に即したものに』 4~6月は生産引き下げへ(3月9日)

トヨタは、2022年度の世界生産について過去最高となる1100万台をかかげています。ただ、この数字は半導体不足の解消が前提です。コロナ禍、半導体不足、原材料の高騰は当面続く見通しです。そして、ロシアによるウクライナ侵攻もあって、世界経済そのものも先行きが見えません。トヨタが、ここでいったん立ち止まって、生産計画を練り直すのは合理的な判断だと思います。


新車需要は引き続き高いですが、無理な生産を強いれば、サプライチェーンのどこかにひずみが生じかねません。足元では、トヨタは挽回(ばんかい)生産をはかっていますが、思うように生産できていません。増産を目指しても、部品が思うように確保できずに減産を繰り返すような不安定な生産となれば、人材の余剰や不足、在庫の調整でかえって現場に負担をかけることになります。

 

春からは、量を追うよりも、安定した生産ができるかどうかが業績の明暗を分けるような局面を迎えています。

(朝日新聞名古屋本社経済担当部長・海東英雄)

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