【2/4~2/11】過去最高益も、喜べない好業績。トヨタは“三重苦”をいかに解消するか

【2/4~2/11】過去最高益も、喜べない好業績。トヨタは“三重苦”をいかに解消するか

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「経済ニュースを毎日チェックする時間がない」「先週何があったのか、さくっと知りたい」。日々を忙しく過ごす20~30代のビジネスパーソン向けに、朝日新聞デジタルが配信した先週の経済ニュースをまとめました。経済報道の現場をみつめる朝日新聞経済部長からのコメントとあわせてお届けします。 

先週(2月4日~2月11日)の主な経済ニュース

■マック、ポテトのM・L再開へ 2月7日午前10時半 約1カ月ぶり(2月4日)

マクドナルドの店舗=2019年4月、静岡市、朝日新聞社
マクドナルドの店舗=2019年4月、静岡市、朝日新聞社

日本マクドナルドは2月4日、一時休止していた「マックフライポテト」のMサイズとLサイズの販売を、2月7日午前10時半に再開すると発表しました。物流網の混乱で船便でのジャガイモの輸入が遅れていましたが、別ルートを手配することで供給にめどをつけたといいます。記事はこちら

■旧フェイスブック株が急落、時価総額27兆円超失う 米企業史上最大(2月4日)

アメリカ・ウォール街にあるニューヨーク証券取引所=2021年4月、アメリカ・ニューヨーク、朝日新聞社
アメリカ・ウォール街にあるニューヨーク証券取引所=2021年4月、アメリカ・ニューヨーク、朝日新聞社

2月3日のアメリカ・ニューヨーク株式市場で、フェイスブック(FB)を傘下に持つメタの株価が、前日比で26%急落しました。時価総額は2370億ドル(約27兆円)分減り、アメリカメディアによると、アメリカ企業の1日の減り幅としては史上最大といいます。トヨタ自動車の時価総額(約37兆円)の7割分が1日で吹き飛んだ計算となります。記事はこちら

■総合商社の利益が歴史的な高水準、資源高が押し上げ「異常値に近い」(2月4日)

原油をくみ上げるポンプ=2017年5月、アメリカ・テキサス州、朝日新聞社
原油をくみ上げるポンプ=2017年5月、アメリカ・テキサス州、朝日新聞社

原油など資源の高騰は、様々な権益を持つ総合商社の利益を押し上げています。2021年4~12月期決算では、伊藤忠商事の純利益が6788億円(前年同期比86.3%増)となりました。三菱商事と三井物産も純利益が6000億円を超えました。これまで通期の決算で6000億円超の純利益を出した日本の商社はありませんでした。3社は9カ月で超えており、利益が歴史的高水準になっています。記事はこちら

■デジタルアートの「盗品」横行 急拡大NFT市場で奪われる「本物」(2月5日)

デジタル上のデータやアート作品などに「本物」であるとの証明書を付けて売買する「NFT(エヌエフティー)」市場が急速に拡大しています。ところが、ネット上にある第三者のアート作品などを無断でコピーした「盗品」を出品する事例が相次いでいます。著作権の侵害につながるほか、購入者が泣き寝入りするケースも多いとみられ、対策が急がれています。記事はこちら

■東芝が2分割案を正式発表 3分割案に大株主が反発し修正(2月7日)

東芝の看板=2021年6月、川崎市、朝日新聞社
東芝の看板=2021年6月、川崎市、朝日新聞社

東芝は2月7日、会社を3分割する計画を修正し、デバイス事業だけを切り出して2分割にすると正式に発表しました。3分割計画には大株主の一部が反発しており、短期間での見直しを迫られます。空調子会社の東芝キヤリアを、合弁相手である米国の空調大手に約1000億円で売却することも発表しました。記事はこちら

■英半導体設計大手「アーム」の売却断念 ソフトバンクグループが発表(2月8日)

ソフトバンクグループの本社が入るビル入り口=2021年8月、東京都港区、朝日新聞社
ソフトバンクグループの本社が入るビル入り口=2021年8月、東京都港区、朝日新聞社

ソフトバンクグループ(SBG)は2月8日、傘下で英半導体設計大手の「アーム」を、アメリカ半導体大手エヌビディアに売却する計画を断念すると発表しました。「規制上の課題に鑑み、本契約を解消することに合意した」としています。今後は、2022年度中の株式上場に向けて準備するといいます。記事はこちら

■トヨタ、過去最高の純利益 4~12月期 減産でも円安が追い風(2月9日)

トヨタ自動車のエンブレム=朝日新聞社
トヨタ自動車のエンブレム=朝日新聞社

トヨタ自動車が2月9日発表した2021年4~12月期決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比19.2%増の23兆2670億円、最終的なもうけを示す純利益は57.8%増の2兆3162億円となりました。いずれもこの期間として過去最高。ただ、足元ではコロナ禍の影響で国内工場を中心に生産が停滞しています。このため、今年度の世界生産台数は計画していた900万台から、850万台に引き下げ。通期の業績予想は、売上高を30兆円から29兆5000億円に下方修正しました。記事はこちら

 

経済部長から「過去最高益も、喜べない好業績。トヨタは“三重苦”をいかに解消するか」

◎注目ニュースは「トヨタ、最高益の純利益 4~12月期 減産でも円安が追い風(2月9日)

トヨタ自動車の4~12月期決算で、売上高と営業利益、純利益が過去最高でした。ただ、喜べない好業績と言えそうです。

そもそも、円安が進んで、海外販売の売上高は円換算した場合に膨らみ、輸出採算性も高まっています。実力以上の売上高ともうけとなっています。

そして、世界的な半導体不足が長期化しています。調達力が強みのはずのトヨタでも、必要量を安定的に確保できていません。また、新型コロナウイルスのオミクロン株による急激な感染拡大で、国内自社工場や、取引先メーカーでも感染者が相次いでいます。今年1月以降に、国内工場を中心に操業が断続的にストップしています。思うように車がつくれていません。

さらに、原材料が高騰して利益を圧迫しています。足元で、こうした「三重苦」に見舞われています。

どれもすぐに解消される見通しはありません。トヨタだけでなく、日本の製造業全般に共通して先行きの不透明感を濃くしています。

(朝日新聞名古屋本社経済担当部長・海東英雄)

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