「幸せ経営」の起業家に聞く。自分1人から会社を変える方法【ハッシュタグZ】 #1月22日放送回

「幸せ経営」の起業家に聞く。自分1人から会社を変える方法【ハッシュタグZ】 #1月22日放送回

オフタイム

ABCラジオ「リアルをぶつけろ!ハッシュタグZ!」とbizbleがコラボ! 今回は「話題のあの人にリアルをぶつけろ!ハッシュタグ出演依頼!」のコーナーをお届けします。

ABCラジオ「リアルをぶつけろ!ハッシュタグZ」は毎週土曜22時~23時に放送中の、Z世代が自分たちの目線で物事を深掘りし、それぞれのテーマについて討論する番組です。

1月22日放送回の「話題のあの人にリアルをぶつけろ!ハッシュタグ出演依頼!」のコーナーには、起業家で経営者で大学教授の斉藤徹(さいとう・とおる)さんが出演。

出演者の阿久津愼太郎さん(26)、田中雅功さん(19)、なえなのさん(21)の3人と、「幸せ視点の経営」について語り合いました。

出演者

※以下、いずれも敬称略

阿久津愼太郎(あくつ・しんたろう)

1995年生まれ。K-POP、ジャニーズ、地下アイドルなど、あらゆる男性アイドルを推すヲタクYouTuber。国内外の現場に通うフットワークの軽さや冷静な分析力は、ほかのヲタクからも支持されている。イベントMCとしても活動中。

田中雅功(たなか・がく)

2002年生まれ。東京都出身。フォークデュオ「さくらしめじ」としてアーティスト活動の他、小説家としても活動中。

なえなの

2001年生まれ。様々なSNSで活動し、総フォロワー数が500万以上の「今最もZ世代に推されている女の子」としてタレント・モデルとして活動中。

起業→30億円調達→社長追放→借金3億→大学教授

阿久津愼太郎(以下あくにゃん)
まず斉藤さんのご経歴について教えてください。

斉藤徹(以下斉藤)
大学を出て就職した後、29歳で独立したんですね。会社を作って、社長になって。1年目はすっごい良くて、月に1億円くらい売り上げたんです。

(右奥から時計回りに)阿久津愼太郎さん、なえなのさん、田中雅功さん、モニターに映っているのが斉藤徹さん。左奥は番組ディレクター
(右奥から時計回りに)阿久津愼太郎さん、なえなのさん、田中雅功さん、モニターに映っているのが斉藤徹さん。左奥は番組ディレクター

あくにゃん
えー! すご! 何屋さんをしたらそんなにいくんですか?

斉藤
僕はコンピューター技術者で、コンピューターを作ってね。それから規制が入ってどん底に落ちて、僕の30代はもう借金まみれで。倒産寸前みたいな状態になった。でも2000年ごろに、インターネットが急速に普及する中で、「どんな世の中になるんだ」ってみんなすごく興奮して、ベンチャーバブルが起きたのね。それに乗って、世界的にも注目されるテクノロジーを出して、30億円くらい資金調達をして。

それまでの10億円くらいの借金を返しちゃって、すごく楽になったんだけど、今度はバブルが1年で崩壊してしまって。僕は150人くらいの会社の社長で創業者だったんだけど、銀行からお金を借りて会社の株を買っていたので、創業者を追放されてしまって。

一同
えー!!

なえなの
追放!?

斉藤
それがちょうど40歳のとき。40歳で借金3億円あって、無職、無一文になってしまって。そこから2年間裁判して負けて、家が競売にかけられて……またそこから復活して。いろんな経験をしてきたので起業家の使命に目覚めて、そこからはすごく幸せな人生になったんですね。本も書いてわりと売れて、講演もするようになって。

会社の経営もしているんだけど、学習院大学から「客員教授をやらない?」って声がかかったんです。2016年から大学の先生をしていて、今はビジネス・ブレークスルー大学の先生をしています。僕は学習院の子たちから「とんとん」って言われているので。

あくにゃん
とんとん? 何でですか? 人生がトントンいってるからですか?

一同
(笑)

田中雅功(以下がっくん)
トントンいってないでしょ、絶対!(笑)

斉藤
トントンいかなかったんだけどね(笑)。一応名前からきたのか、よくわからないんだけど。

がっくん
あ、「徹(とおる)」だからか。

斉藤
そうなんです。まぁそんな人生で。

がっくん
すごいな。

あくにゃん
「向いてないかも」「もう辞めよう」とならずに、トライし続けられたのはなぜですか?

斉藤
うーん。家が担保に入っていたので。家に家族が住んでいたので、倒産してしまうと一家が路頭に迷っちゃうでしょ。

あくにゃん
じゃあ義務感とか正義感ですか?

斉藤
そんな偉そうなものじゃないけど。やっぱり倒産だけはしたくないと思って……。

がっくん
意地もあったんですね。

斉藤
うーん。でもちょっと頑張ったかな。

あくにゃん
月1億円だよ。宝くじで5億円当たったら、一生生きていけるくらいの感覚だったけどさ。月1億円の売上とか3億円の借金って、全然知らない世界だなと思って。

なえなの
億の借金ってどうすればいいの?(笑)

斉藤
億の借金は本当につらくって。毎月何百万円っていう利子が発生するくらい。

がっくん
どこを切り取っていいか分からないくらい壮絶な……。

斉藤
まぁ、そんなことをやってきました(笑)

自分の幸せが周りに広がる……「幸せ視点の経営」とは

あくにゃん
そんないろんな経験がある中で、大学ではどんなことを教えてるんですか?

斉藤
僕が目覚めてどん底から良くなったきっかけは、「幸せ視点の経営」って言ってるんです。それまでずっと「会社を大きくしたい」「ナンバーワンになりたい」「お金が欲しい」とか、そういう動機で経営をしていたんだけど、あるとき突然考え方を180度変えたんです。自分が幸せになって、その幸せが少しずつでも社員、お客さん、いろんな人に広まっていくような会社の経営をしようと。

それで僕自身も会社の経営も良くなったので、それを大学で教えています。「こういうチームを作るとみんな幸せになるんだよ」「こういう事業をするとみんなに幸せが広がっていくんだよ」みたいな講義をしています。

がっくん
何がきっかけでそんな考え方に変わったんですか?

斉藤
うーん。何回も倒産しそうになって、何回も何回も反省して、そのつど学ぶことが多くて。追い詰められると本当に苦しいから、「どうしてこういうことが起きちゃったんだろう?」っていろいろ考えて。

自分が強欲だったり、ナンバーワンになりたいとか有名になりたいとか考えていたりすると、どんどん無理をしちゃって、その無理がこういう現実を作っていると気づいたのかな。それで根本を変えようと思ったのかな。

あくにゃん
お二方どうですか? 「幸せ視点」で仕事してます? 周りを幸せにしたいって、ファンに対しては思うかもしれないけど、例えばスタッフさんにも思って働いてたりする?

なえなの
自分の現場でよくあるのは、メイクさんってアシスタントさんと合わせて2人いるじゃないですか。大御所のメイクさんって厳しい方が多くて。

あくにゃん
アシスタントさんに対してってこと?

なえなの
そう。愛のムチかもしれないけど、厳しい言葉遣いだったり、ずっと立ってなきゃいけなかったり。ずっと立たせてるのも申し訳ないから「座ってください」とか、お昼ごはん食べてない人がいたら「このお弁当みんなで食べてください」とか。自分が上にならないように、困ってる人がいないかなって声をかけたりはしてる。

あくにゃん
え-! めちゃくちゃ失礼なこと言うけど、なえなのちゃんってそういうことできるんだね。

一同
(笑)

なえなの
ねえ~失礼!(笑)

がっくん
めちゃくちゃ失礼!! びっくりした(笑)

あくにゃん
たぶんスタッフさんもみんなびっくりすると思う。なえなのちゃんに言われたら。

がっくん
でも、なえなのさん、いつも自分で食べてるものとかを「いる?」って聞いてくれますよ。

あくにゃん
あ、それ僕も言おうとした。分け与える精神がすごいよね。

なえなの
確かに。今日も「韓国のり食べる?」って言った。ずっと見てたから(笑)

あくにゃん
こういう細かい気遣いが大切ってことですよね。

斉藤
細かい気遣いも大切だし、何より自分が幸せなことがとても大切で。人のことばかり考えると、滅私奉公みたいになっちゃうから。

がっくん
あ~。難しいですね。

あくにゃん
バランスね。

斉藤
今のなよなよちゃんの……なよなよちゃん?

なえなの
(笑)。なえなのです!

斉藤
なえなのちゃんね(笑)。周りの人が喜んでくれたら、自分がうれしいでしょ? だから、お金とかもいいんだけど、やっぱり自分が成長したり、周りの人が笑顔になってくれたりする方が、自分の幸せなんだっていうことに気がついて、幸せが周りに広がっていくような。

あくにゃん
確かに。それは重要かも。

斉藤
滅私奉公になると、つらくなっちゃうからね。

自分の幸せは他人の幸せ? 対話を大事にしよう

がっくん
幸せの基準って難しいですよね。

あくにゃん
あら、どうしたんですか急に?

がっくん
いや、人によって違うじゃないですか。自分が幸せだと思っていることが、果たして相手にとっても幸せなのかと。難しいなあと思いましたね。

なえなの
おせっかいとかってこと?

がっくん
それもそうだし、自己満足になったりするかも……。

あくにゃん
掛け違いはつらいね。僕、自分が幸せだと思ってることは、みんなに幸せと思ってほしいんですけど。

一同
(笑)

あくにゃん
……これはジャイアンなんですか?(笑)

がっくん
ちょっとジャイアンかも(笑)

あくにゃん
良いジャイアンじゃないんですか?

がっくん
そういう折り合いってどこでつけるんですかね。

斉藤
いろいろ話し合うことが大切かなって。Z世代はそういう対話を大切にするでしょ? 僕たちの世代は一方通行。マスメディアも一方通行だったし。

でも、Z世代はみんなとつながっていて、人の気持ちもコミュニケーションも大切にするでしょ? だから「僕はこういうことに幸せを感じるんだけど、君はどう?」ってコミュニケーションをして、お互いがいいところを見つけていくのが大切かもしれないですね。

大ヒット中の著書。若い世代に刺さるはず

あくにゃん
昨年12月に発売され話題になっている著書『だから僕たちは、組織を変えていける やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』についてうかがいます。どんな内容ですか?

斉藤
いま時代がどんどん変わってるでしょ。ソーシャルメディアでみんながつながってたり。でも、組織は変わってなくないかな? 旧態依然とした、統制型のトップが支配するような組織が多いんだけど、もうそういう組織は古い。

操り人形みたいな組織じゃなくて、一人ひとりが自走してコラボレーションするような組織にしていくことが大切だよっていう。そういう組織を作るにはどうすればいいんだろうってことが書いてある本かな。

あくにゃん
「古い」って言われて、悪いイメージはしやすいんですけど、変わらないってことは、それがいいとされているからなのか……。古いとなぜダメなんですか? 離職率が増えちゃうとか?

斉藤
離職率が増えるということもあるし。そもそも今、仕事の質がどんどん変わってきていて。昔は統制して、あんまり人の心を気遣わない方が生産性が高かったんだけれど、今は一つ一つの仕事がクリエイティブに、人間的になってきていて。

みんなもそうでしょ? 自分のやりたいことをのびのびと、みんなでコラボレーションしたほうが良い成果が出るでしょ? その方が成果が出るし、人も辞めない。

がっくん
確かに感情が見えるようになってきていますよね。さっきのマイメロの話(※)じゃないですけど、そういうのって今までは、発売した後は売れるか売れないかだったじゃないですか。でも嫌な思いをする人がいるから販売を取り下げたり。感情が具体的に見える時代だなって思います。
(※編集部注:2022年1月、サンリオの人気キャラクター「マイメロディ」が使われたノートなどの発売が中止になった。キャラクターのセリフである「女の敵は、いつだって女なのよ」などといった文章がデザインされていることに、ネットで批判が集まっていた)

なえなの
確かに。

がっくん
組織のあり方はどう変わっていくんですか?

斉藤
例えば、結果を一気に出そうとしても、どんどん組織の関係が悪くなっていっちゃう。そうじゃなくて、人間関係から良くして、みんなで一丸となるような目標を作って、みんなが熱中する場を作って、結果として良い成果を出す。資本主義の中で持続的に成長していく組織だけど、無理に成長させない。みんなが幸せになりながら成長していくっていう組織を目指している。

あくにゃん
最後は幸せに戻ってくるんですね。本を読まれた方の声はどうですか?

斉藤
若い世代に非常に刺さることが多くて。年配の人は「確かにそういう考え方もあるな、でも一方でこうだよね」っていう感じ。でもY世代(ミレニアル世代)とか特にZ世代は「そんなの当たり前だよね」と。でも実際に働いている組織は違うから、「すごく苦しい」「本当にこういう風にしたい」という声があります。

この本のもう1つの特徴は、会社がそうであっても、1人から変えていけると言っている点。自分が変わって、チームが変わって、いい組織が広がっていく。そのためにこういう風にするんだよっていうメソッドも書いています。「希望の書だ」っていうメッセージももらっています。

あくにゃん
1人から変えていけるっていいですね。基本若い子って、ぶつかったとき諦めるので。

斉藤
そうそうそう。

あくにゃん
でも変えたい気持ちはあると思うので、本を読んで吸収したいと思います。最後にお知らせはありますか?

斉藤
この本はきっと若い人たちに響くと思います。「dakaboku.jp」「だから僕たちは、組織を変えていける」で検索すると公式ページがあって、Z世代の子たちが描いてくれた書籍中のイラスト150点くらいとか、各章のまとめとかを全部無料でダウンロードできるので、ぜひのぞいてみて下さい。

bizble編集部より

bizbleでは不定期で「ハッシュタグZ」の出演依頼のコーナーを記事化します。番組はLINE LIVEでも生配信しています。

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