年初に立てる目標を達成できない3つの理由。達成するにはどうすれば?

年初に立てる目標を達成できない3つの理由。達成するにはどうすれば?

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大阪大学教授で経済学を専門とする大竹文雄さんが、行動経済学を通じて若手ビジネスパーソンの次の行動につながる考え方やモノの見方を伝えます。今回のテーマは「行動経済学で考える目標達成の方法」についてです。

多くの人が「目標を立てるが、行動が伴わない」

2022年を迎えて、今年の目標を立てた人も多いだろう。時間には切れ目がなく、連続的に流れている。年や日といった切れ目を作っているのは、地球の公転や自転という自然環境だ。

しかし、そうした区切りがあるおかげで、私たちは年間の目標や1日の目標を立てて、それを達成しようと努力する。もし区切りがなければ、目標設定はとてもやりにくいのではないだろうか。

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新型コロナ感染者数でも、感染者数が100人と99人の間には1人の違いしかないが、1桁違うだけで私たちの認識は随分違う。

このように区切りとなるものをうまく利用して、成長していきたいものだ。ただ、新年に立てた目標を達成できないことも多い。行動経済学の視点で目標を達成できない理由を考えて、対策を立ててみよう。

 

目標を立てても達成できない原因にはどのようなものがあるだろうか。「努力はしたけど、運が悪かった」ということも考えられるが、一番多いのは「目標は立てたけど、行動が伴わなかった」ということではないだろうか。

明治神宮に初詣で訪れ、間隔を空けて並ぶ参拝者=2021年1月2日、東京都渋谷区、朝日新聞社
明治神宮に初詣で訪れ、間隔を空けて並ぶ参拝者=2021年1月2日、東京都渋谷区、朝日新聞社

例えば、「体重を減らす」という目標を立てても、「運動する」とか、「食事に気をつける」という行動が伴わなければ、目標は達成できない。

 

なぜ目標を立てたのに、それを実行する行動が伴わないのだろうか。どうすれば目標と行動のギャップを埋めることができるだろうか。

目標達成できない理由は「現在バイアス」?

行動経済学では、目標が達成できない理由を「現在バイアス」で説明することが多い。

「現在バイアス」とは、将来のことは我慢強い意思決定ができるのに、現在のことについてはせっかちな意思決定しかできないことをいう。そのため、せっかく立てた目標があっても、そのために努力することを毎日先延ばししてしまうのだ。

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もし現在バイアスが目標を達成できない理由ならば、先延ばしをすることが難しくなるような状況に自分を追い込むことが解決策だ。

目標が達成できなかった場合に大きな罰則を課すのはその典型である。また、どうせ先延ばしにするのであれば、中間目標を細かく設定し、その締切には間に合うようにしていくことが対策になる。

 

要するに、目標達成のための「必要な努力」を先延ばしできないように、長期の目標だけでなく、短期的な目標に細分化し、締切を短めに設定して、それが守れなかった場合の罰則を決めておくことだ。

金銭的な余裕や時間的な余裕がなくなれば、長期のことを考えることもできなくなる。

 

そのためにも、新年という少し時間的余裕があるときに長期的計画を立てて、それを日々の目標にまで落とし込んでおくと、お金や時間に余裕がないときでもせっかちな意思決定で先延ばしをすることは防げるかもしれない。

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