在宅勤務で怠けてしまうあなたへ 意志や精神力に頼らない自己管理方法とは

在宅勤務で怠けてしまうあなたへ 意志や精神力に頼らない自己管理方法とは

ビジネス

「在宅勤務だと怠けてしまう」「新しく配属されたチームで、同僚とうまくやるにはどうすればいいの」「やるべきことを先延ばしする癖を直したい」――。そんな悩みを抱える若手ビジネスパーソンに向けて、行動習慣コンサルタントの冨山真由さんが、仕事と人間関係に役立つ習慣づくりのコツをお伝えします。

リモート時代に必須の自己管理能力

こんにちは。

行動習慣コンサルタントの冨山真由です。

 

新しい働き方のスタイルとしてすっかり定着したリモートワーク。

通勤の面倒もなく自宅で仕事ができることに喜んでいる人も多いでしょう。

在宅勤務を強化したダイドードリンコのオフィス。コロナ禍を機に在宅勤務は一気に広がった=2020年12月、大阪市、朝日新聞社
在宅勤務を強化したダイドードリンコのオフィス。コロナ禍を機に在宅勤務は一気に広がった=2020年12月、大阪市、朝日新聞社

とはいえ、「家で1人で仕事をしていると、つい怠けてしまう」「なかなか仕事に集中できない」という人もいるはず。

「本当はそんなことじゃいけない!」「メリハリをつけて効率的に仕事をしなきゃ!」と思うものの、いつもダラダラしてしまう、やる気が起きない、集中力も続かない……。

これは人間の行動原理で、言ってみれば“仕方がないこと”なのです。

 

そこで、そんな自分をコントロールする自己管理(セルフマネジメント)が重要になってくるわけですね。

上司の目がなく、1人でリモートで仕事をする時代には、セルフマネジメントは“仕事のデキる人”の必須能力と言えるでしょう。

 

でも「セルフマネジメントって何だか大変そう」「自分は意志が弱いから、決めたことをきちんとできないだろうな」と思う方もいるかもしれませんね。

 

大丈夫です!

私が紹介する「行動科学セルフマネジメント」は、とっても簡単にできることばかり。

そして「意志」とか「精神力」には頼らない、誰がやっても同じように効果が得られる科学的なノウハウです。

「効率的に仕事がしたい」「達成したい目標がある」「三日坊主の自分を変えたい」――。

そんな人におすすめです。

行動を変えるためにやるべき2つのこと

行動科学セルフマネジメントでは、自分の「内面」ではなく「行動」にフォーカスします。

 

「もっとやる気を出そう!」「もっと真剣に仕事に取り組もう!」と強く願っても、気持ちを変えるのは難しいものです。

そして、つい怠けてしまう自分、目標達成できない自分、物事を途中で投げ出してしまう自分を情けなく感じて、「あーあ、やっぱり自分はダメな人間だなぁ」なんて自己嫌悪に陥ってしまう、という人は多いと思います。

変えるのは自分の「内面」ではなく「行動」=筆者提供
変えるのは自分の「内面」ではなく「行動」=筆者提供

一方、「行動」を変えるのは、実は難しいことではありません。

「それも自分の『意志』や『精神力』、『強い気持ち』が必要なんじゃないの?」とお思いの人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

ごく簡単に言ってしまえば、やるべきことはこの2つだけです。

 

1. 「望ましい行動」を増やす(行動しやすくする)工夫を施す

2. 「望ましくない行動」を減らす(行動しづらくする)工夫を施す

 

増やした行動、減らした行動はやがて定着し、「習慣」となります。

「いい習慣を身につけたい」「悪い習慣をやめたい」というときにも、行動科学セルフマネジメントのこのアプローチが役に立ちます。

 

シンプルですが、これは行動分析学、行動心理学の長年にわたる研究がベースになっている科学的なセルフマネジメント手法です。

意志や精神力、強い気持ち、性格など「内面の問題」はまったく関係ありません。

小さいゴールを積み重ねれば遠くに行ける

あなたが「リモート環境でもダラダラせずに、目標達成したい」と思ったとしましょう。

そのために望ましい行動を増やす際のポイントも、とてもシンプルなものです。

 

それは「ちょっとずつやる」ということ。

「まずは、ちょっとやる」「次に、ちょっとやり続ける」。

何だか自分を甘やかしているようですが、これは「スモールゴールの設定」という、行動科学セルフマネジメントの基本中の基本です。

目標達成は「ちょっとずつ」がうまくいく=筆者提供
目標達成は「ちょっとずつ」がうまくいく=筆者提供

例えば「リモートワークですっかり運動不足。毎日5キロのジョギングをする」と決めても、運動経験のない人にとってはちょっと厳しい目標です。

実現の可能性は低いのに、無理してトライして「やっぱりダメだった」「やっぱり自分にはできないんだ」となっては、続かないのは当然です。

 

科学的「ちょっとずつ」のアプローチでは、まずは「3キロ歩く」というほんのちょっとの試みから始めます。

それが達成できたら次は「途中で少し走ってみる(ウォーク&ラン)」。

それが達成できたら次は「3キロのジョギング」「5キロのウォーク&ラン」と徐々に距離を伸ばしていき、最終的に5キロのジョギングというゴールにたどり着くわけです。

 

意志や気合いといった内面に頼って「高い目標」を設定し、いきなりトライするのではなく、小さなゴールをいくつも用意して、1つずつクリアしていく。

これが科学的な目標達成のやり方です。

まずは自分の達成したい目標(ゴール)を見直し、そこにたどり着くまでの小さなゴールを設定してみましょう。

自分の行動に「ごほうび」を設定しよう

行動科学セルフマネジメントでは、行動を増やすための「動機付け」を重視します。

 

人間は、行動の結果がメリットのあるものであれば、またその行動を繰り返します。逆に行動の結果がデメリットのあるものであれば、その行動は続けません。

このメリットがすなわち行動することの動機づけというわけですね。

 

例えば先ほどの「スモールゴールの設定」では、少し先のゴールに到達するごとに「やった!」「自分にもできた!」という達成感や自己効力感を得られることがメリットです。

それが行動の動機づけとなり、さらに行動する(行動が増える)ようになるわけです。

最初の緊急事態宣言中のJR東京駅前の様子。通勤する人の数は大きく減った=2020年4月、朝日新聞社
最初の緊急事態宣言中のJR東京駅前の様子。通勤する人の数は大きく減った=2020年4月、朝日新聞社

メリットとは、言ってみれば「行動したことへのごほうび」のようなもの。

ですから、セルフマネジメントの方法としては、増やしたい行動に意図的にごほうびを与えるのです。

例えばリモートワークの際「90分仕事をしたら休憩してお菓子を食べる」なんていう自分へのごほうびも、行動の動機づけと十分言えます。

 

また「怠けずに1日の決められたスケジュールをこなせたら、カレンダーに○印を付ける」といったことも、自分へのごほうびになるものです。

「1日がんばった自分」を自分で称賛しているわけですね。

行動したら称賛される――。

これもまた行動の結果にメリットが与えられることの一例です。

 

スモールゴールを設定して「ちょっとずつ」やる。

自分の行動の結果に自分でメリットを与える。

これらが「望ましい行動」を増やす(行動しやすくする)工夫です。

 

リモートワークという新しい働き方の時代、つい怠けてしまう自分を情けなく思っているだけなんてもったいない!

セルフマネジメントで行動をコントロールして新しい習慣を手に入れ、充実した毎日を過ごしましょう。

 

(このコラムは月1回掲載予定です)

ビジネス

働くあなたへ シネマサプリ

「コンビニ限界説」に挑む

新・若者進化論