上司に理解してもらえない! 理屈じゃない企画を実現する方法 #6

上司に理解してもらえない! 理屈じゃない企画を実現する方法 #6

ビジネス

泡パーティーやバスタブシネマ、ドライブインフェス……。数々の心躍らせるイベントを仕掛けてきた体験クリエイター・アフロマンスさんが、“ワクワクをつくる企画術”を語ります。

「面白い企画を考えたんですが、上司に理解してもらえず、実現できません。どうすればいいんでしょうか?」

こういう話をよく聞きます。

上司以外にも関係会社や行政など、ステークホルダーの納得を得られないと話が進まない、というケースはよくあります。

ワクワクする企画を実現する上で、避けては通れない壁。今日は、この突破方法について考えてみましょう。

理屈じゃない企画を実現する時こそ、理屈が重要

あなたは今、ワクワクするアイデアを思いつき、実現しようと企画書を書いています。

「これは面白い!」「ワクワクする!」

企画する側として、そういう「理屈じゃない」ワクワクする感覚はとても大切です。

人は、理屈だけでモノを買わないし、行動しません。

「面白い!」「ワクワクする!」そういった気持ちが動いて行動する経験は、誰でもあるでしょう。しかし、つくる側になると、途端に理屈っぽくなってしまい、「正しいけど心が動かないもの」をつくってしまう。だからこそ、あなたが感じるワクワクする感覚を大切にしてください。

その上で、壁の正体を見極めてみましょう。

多くの場合、その正体は「納得」と「安心」です。

上司は、承認したからにはその企画の責任を負わないといけないので、ワクワクだけでなく、納得させてほしいし、安心させてほしい。

また、上司の先にも承認先があることも多いので、上司自身が説明できるか? というのも大事なポイントです。

そして、納得を得るために必要になってくるのが「理屈(ロジック)」です。

「なんだ、結局、ワクワクするアイデアを出しても意味なくて、理屈で考えた方がいいのか…」と思うかもしれません。

そうじゃないのです。

大事なことは順番です。

理屈の積み重ねでアイデアを考えようとすると、ワクワクしない企画や、誰が考えても同じような企画になりがちです。アイデアを考えるときは、理屈じゃない感覚も入れた方がジャンプしたアイデアが出ます。

その上で、思いついたアイデアがなぜいいのか?やるべきなのか?意義や必要性を理屈(ロジック)で説明できるようにするのです。

また、その理屈は自分のためではなく、相手のためのロジックという点も注意してください。自分が言いたいことを言うのではなく、相手がほしいロジックを考えるのがポイントです。

例えば

・売上や利益が上がる
・認知やブランドイメージがあがる
・顧客層の新規開拓になる
・社会貢献につながる
・上司の評価があがる

など(最後は冗談のようですが、意外とあります)

また、先ほど言ったように、このロジックは自分の言いたいことではなく、相手が求めているものを入れるべきで、そこが一致しないこともあります。

例えば、売上をあげたいと思っている相手に、自分が社会貢献につながるからやりたいと説明しても企画は通りません。相手が何を求めているかをヒアリングし、把握することは大切です。また、求められているロジックに近づけるために企画の言い回しを変えたり、チューニングしたりといったことも必要です。

一見、当たり前のようですが、自分がいいと思う理由で通そうとする「感覚だけの人」や、理屈ばかりで心が動かない「ロジックだけの人」など、両方をうまく行き来できる人は意外と少ない印象です。

相手の求めているものも踏まえながら、アイデアとロジックを行き来し、企画をブラッシュアップしていくのがいいでしょう。

トライアルやチーム化で、実現に近づける

もう一つの壁の要素、安心を得るためにはどうすればいいのかを考えてみましょう。

一般的な企画であれば、下記のようなものが基本になります。
・成功事例や類似事例を出す
・担保できる数字を出す
・専門家を連れてくる

ただ、「ワクワクをつくる企画術」で扱うような、新しい企画や前例のない企画では、この方法だと足りない場合があります。

そんな時の突破方法の一つは、トライアルでやってみる(プロトタイプをつくってしまう)です。

自分が想像している以上に、上司はイメージが湧いてないことが多い。新しいものほど、その差は大きくなります。

そこで、トライアルやプロトタイプで形にすると、一気にイメージが湧くということがあります。

また、そこまで実績のない人の場合、口だけ(企画書だけ)で安心感を担保するのはなかなか難しい。人は口だけよりも、行動に惹かれるし、圧倒的に説得力が増します。また、スモールでも実際に形にすると、書面では気づけない新たな課題やメリットも見えてきます。

もう一つの突破方法は、相手をチームに巻き込んでしまう、です。

話が通じないと、「なんでわかってくれないんだ」という気持ちになりますが、上司も他のステークホルダーも、敵ではなく、企画を実現するために必要な仲間です。

どうやって説得するか、ではなく、どうやったら仲間になってもらえるか、という視点を持つことです。

オススメは、企画を固めないことです。

がちがちに固まった企画は、粗探しやケチをつけたくなるもの。パーフェクトな企画であれば通ると思いますが、前例もないし、完璧は難しいという場合は、あえて固めずに「どう思います?」「一緒に考えましょう」と企画段階から仲間に入れて、意見を交えながらチームとして一緒につくるのです。

そうすることで、他人の企画から自分の企画になり、不安要素を見つけても却下するのではなく、実現できる方法を一緒に考える、というスタンスに変わります。

これは上司だけでなく、関係会社や行政など、色んなステークホルダーと一緒にやるときにも応用できる考え方です。

最終手段は…

ここまで様々な突破方法を話しましたが、現実にはあらゆる手を尽くしても、上司の納得を得られないことはあるでしょう。

そんな時の最終手段は、会社と関係なく自分でやる、という選択肢もあるかもしれません。

その企画は、本当に今の会社じゃないとできないのか。
「あの手この手を尽くしても、上司や会社に通らない」=「その会社以外で実現した方がいい企画」なのかもしれません。
また、大きな予算が必須と思っている人がいますが、今は様々なサービスがあり、個人でスモールスタートできる時代です。資金調達にクラウドファンディングを使ってもいいでしょう。

これは私の経験談なのですが、自分の人生が変わった「泡パ®︎」というイベントがあります。その名の通り、泡にまみれる音楽イベントで、2012年の初開催から大きな話題となり、フェス規模での全国展開や、様々なブランドやコンテンツとのコラボレーションにも発展しました。

ただ、この当時、私は会社員で、この企画は個人活動でした。つまり、趣味です。

この企画は会社に出した訳ではないですが、おそらくやる前に企画書で出しても通らなかったと思います。また、自分の資金でやる企画は責任感が違うし、様々な場面で自分の意思で決定できます。結果、自分でやってよかったと思っています。

そして、このイベントをキッカケに、様々な体験型の企画を手がけ、独立し、今に至ります。こういった選択肢があることもお伝えしたいと思います。

いかがだったでしょうか。

本コラムでは「ワクワクをつくる企画術」というタイトルで、アイデアの発想から企画のブラッシュアップ、そして、実現をテーマに連載しています。

コラムの感想や、こんなことが聞きたいなどあれば、記事下のコメント欄か、Twitterで「#ワクワクをつくる企画術」で投稿してもらえれば見ますので、よろしくお願いします。 

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