「あれもこれも」が失敗する。SNS時代の企画の鉄則は「一言一枚」への集約 #5

「あれもこれも」が失敗する。SNS時代の企画の鉄則は「一言一枚」への集約 #5

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泡パーティーやバスタブシネマ、ドライブインフェス……。数々の心躍らせるイベントを仕掛けてきた体験クリエイター・アフロマンスさんが、“ワクワクをつくる企画術”を語ります。

これまで、既成概念に捉われないアイデアの発想方法から、「アイデア→企画」の必要性の話をしてきました。

ここからは、企画のブラッシュアップについて、色んな角度で話をしていきます。

圧倒的に多い「あれもこれも入れようとしすぎ」問題

まず今回は、大事なクリエイティブの話です。

クリエイティブと言っても色んな意味があると思いますが、今回はタイトルやキャッチコピー、キービジュアルなど、主に一般の人がその企画について最初に目にするものをイメージしてください。

アイデアがよくても、いいイベントやプロダクトをつくっても、クリエイティブがうまくないために損していたり、結果が出ていなかったりするものは世の中にたくさんあります。

そして、これまで色んな企業や自治体の相談を受けてきて、圧倒的に多いのは「あれもこれも入れようとしすぎ」問題です。

「うまくいかない時は、大体の場合、足りないのではなく、多すぎる」

私の先輩の高橋ひでつうさんの言葉ですが、そういう場面によく遭遇します。

そこで、まずは下記のようなマインドセットをしてください。

誰だって失敗したくない。

一人でも多くの人に見てほしい、買ってほしい。

そう思うあまり、不安を埋めるように、どんどん色んなものを足して、スーパーの特売チラシのような企画やクリエイティブになってしまうというのは、本当にありがちです。

情報量が多いことがなぜダメなのか。

それは今の時代が、恐ろしいほどの情報過多&コンテンツ過多の時代だからです。

企画会議の場を想像してみてください。

企画書上には、自分たちの企画やクリエイティブの案が並んでいると思います。どの案がいいか、不足している部分はないか、色々と検討した結果、足りないものがない、図の左のような盛りだくさんな企画やクリエイティブに仕上がっていきます。

そして、世に出る時には図の右のように、様々な他の情報やコンテンツがあふれる中に放り出されます。一瞬で理解できない企画は、情報の海に埋もれ、沈んでいき、よほど興味のある人しか見ないようなものになってしまいます。

その企画やクリエイティブ、一言で、一枚で伝わりますか?

では、どうすればいいのか。
今日はこれだけ覚えてもらえれば大丈夫です。

一言(=短いタイトルやキャッチコピー)と、一枚(=一枚の画像)だけで、その企画のコアとなる魅力や価値が伝わり、引っかかりをつくれるか、を考えてください。

例えば、

<a href="https://www.saga-ichigosan.jp/ichigosanbus2020/">車内でいちご狩り&アフタヌーンティーが楽しめる体験型バス「いちごさんバス」</a>
車内でいちご狩り&アフタヌーンティーが楽しめる体験型バス「いちごさんバス」

<a href="https://rpg-restaurant.ultratour.art/">魔法料理・モンスター料理を試食できるVRレストラン「RPGレストラン」</a>
魔法料理・モンスター料理を試食できるVRレストラン「RPGレストラン」

あげた事例は、1行のキャッチコピー、短いタイトル、1枚のビジュアルで、どんな体験なのか想像できたり、気になったりしませんか?

他にも、最近個人的に面白いなと思った事例をあげると、

透明な缶に入ったショートケーキ「ショートケーキ缶」

コロナで稼働していないバスを使った「はとバス迷路」

など、キャッチコピー(1行の説明文)は私が勝手に足していますが、いい企画は短く端的に要点を伝えられるようにできています。

逆によくない例としては、前述の「いちごさんバス」を例にあげると、

 

いちご狩り体験や、一流シェフが手がけた絶品のアフターヌーンティー、さらに都内観光が楽しめて、お土産にタンブラーまでもらえる体験型のバスツアー「いちご狩り&アフタヌーンティー観光バスツアー」

 

 

といったキャッチコピーやタイトルにして、すべて盛り込んだようなビジュアルにしてしまうことです。

ちなみに書いてある内容はすべて実際の企画に盛り込んでいる内容ですが、何が本当に大事な部分なのかわかりにくくなるし、タイトルも冗長で覚えられませんよね?

もう情報量が多いだけで、受け取りたくなくなるのが今の時代です。

では、どういう部分に気をつけて「一言一枚」を考えればいいのか?

具体的にポイントを解説します。

「一言一枚」で伝えるためのポイントとは?

一言(タイトルやキャッチコピー)

・とにかく短く、簡潔に。すべての要素を入れる必要がない、ということをくれぐれも意識してください。

・キャッチコピーは端的に魅力や価値を伝える言葉、タイトルは覚えてもらうための言葉だと思ってください。

・ここでも、正しいことが正解ではありません。ひっかかりや違和感を大切に。

・口にした時の語感は大切です。パッと読めない言葉、口にしづらい言葉は記憶に残りません。

・タイトルにひっかかりをつくり、記憶に残す意味で、ひらがな、カタカナ、漢字、英語などを組み合わせるのも有効です(前述の事例を参照)

一枚(ビジュアル)

・もっとも象徴的なワンカットを考える。ここでもすべての要素を入れる必要はありません。

・見ている人に、どんな体験ができるのか、どんな価値があるのかをわかりやすく伝えるものを考える。

・ここでも、目にした時のひっかかりや違和感を大切に。

 

また、これはただのクリエイティブ(表現)だけの話ではなく、アイデアや企画自体についても言えることです。

一言一枚に集約できるくらいにアイデアや企画を洗練する、というのも大事なブラッシュアップの一つです。

ここで、こんな疑問が出る人もいると思います。

 

「とはいえ、もっと伝えないといけないことがあるんだよな」

「一言一枚で表現できる企画って薄っぺらくない?」

 

大丈夫です。
大事なことは、いつ伝えるか、です。

この図は、告知から実際の体験へ、左から右へと移っていくと思ってください。そして、黄色い帯は情報量です。告知から解説、実際の体験へ向けて、情報量がどんどん増えていくイメージです。

情報やコンテンツがあふれる中で埋もれないように、一言一枚へ集約する。それは、SNSで広がったり、ニュースになったりする時にも大事な要因です。

そして、興味を持った人がSNSアカウントをフォローしたり、WEBサイトを訪れた時には、より深い情報がちゃんと載っていて、疑問や不安も解決する。

さらに、実際に来場する人や購入する人は事前の告知や情報で、一定の期待を持っています。その期待を超える、こだわりや情報量を提供すること。ちゃんと満足する体験を届けることが、いい口コミやリピーターにつながっていきます。

逆に、ありがちなパターンは、幅広い人に向けて、メッセージ過多な告知をして、大量の情報やコンテンツに埋もれる。

興味を持ってサイトやSNSを見ても、告知よりも情報が載ってなくて、知りたいことがわからない。実際に体験すると、告知や事前の情報よりも薄い内容でガッカリする。そんな残念な企画になってしまいます。

冷静に考えれば当たり前な話ですが、前述のように「とにかく多くの人に知ってほしい」「買ってほしい」と思うあまり、このような状況になっていることはよくあります。

商材によっては短期的に成果が出るかもしれませんが、決して長続きしないので、オススメはしません。

今回は、「一言一枚」への集約が大事、という話でした。ぜひ、参考にしてみてください。

次回以降も、企画の考え方について、色々な角度から語っていきます。こんな話が聞きたい、ということがあれば、記事下のコメント欄、またはTwitterで「#ワクワクをつくる企画術」でつぶやいてもらうか、アフロマンスのSNSにリプライしてもらえれば見ますので、よろしくお願いします!

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