会食にかかるお金についてどう考えるか #33

会食にかかるお金についてどう考えるか #33

ライフ・マネー

朝日新聞社メディアビジネス局運営の金融メディア「START!」に掲載された人気連載をbizbleでも掲載。経済評論家の加谷珪一さんがお金の教養を伝えます。

年末になると仕事関係はもちろんのこと、知人や友人と会食する機会が増えてきます。1回、2回程度であれば問題ありませんが、何回も会食が続くと、支出という点ではかなりの痛手となります。こうした支出をどれだけ上手にコントロールできるのかは、まさにお金の教養にかかっています。

消費と投資の違い

お金の支出には「消費」と「投資」という2つのカテゴリーがあります。この2つの言葉は皆さんもよく知っているはずですし、その違いについても何となく区別していると思います。しかしお金と仲良くなるためには、消費と投資の違いについて、より明確に理解しておく必要があります。逆に言えば、ここさえしっかり押さえていれば、ムダな出費を大幅にカットすることができるのです。

消費というのは読んで字のごとく、使った瞬間に消えていく支出です。経済学的に言うと消費というのは、何らかの「効用」を得るために支出したお金のことを指します。分かりやすい言葉で言うと、何かの欲求を満たすためにお金を使うことを「消費」と呼んでいるのです。

一方、投資というのは欲求を満たすための支出ではありません。

投資は将来、何らかの利益を得るための支出のことを指します。ラーメン店を開くため、お金をかけて店舗の内装を整備したり、厨房機器を購入する行為というのは、ラーメン店の運営でお金を稼ぐための支出ですから、これは投資に該当します。不動産や株式にお金を投じるというのも同じことです。

消費はただお金を失って終わりですが、投資は将来、お金として返ってくることを前提にした支出です。当然のことながら消費支出よりも投資支出が多い方が、将来的に豊かになれます。日々の支出をできるだけ投資メインにシフトできた人がお金と仲良くなれるという仕組みです。

無意味な会合にも意味は見い出せる

しかしながら、消費と投資をしっかり区分するのはそう簡単ではありません。将来のための支出ということで言えば、スキルアップのため学校に通う支出は投資ということになります。しかし、ただ漫然と自己満足のために学校に通っていたのでは、単なる消費にしかならないでしょう。

将来の利益に確実につながるものでなければ投資とは呼べません。このあたりの基準がはっきりしてくれば、会食への支出の是非についても、ある程度はメドが付くと思います。

食事などに誘われたら、自分はなぜその食事に行きたいのか、自分自身に理由を問いかけてください。理由がハッキリ説明できる相手なら、迷わず参加すればよいでしょう。しかし「何となく」という程度しか理由が思い浮かばない場合や、参加しないと少し不安といったことなら、本当に行く必要があるのか怪しいところです。

このようなケースでは一旦、深呼吸してから最終判断してください。「何となく」参加した会食が、自分にとって画期的な出会いや気付きをもたらしてくれることはほとんどありません。その日の支出分はムダになる可能性が高いですから、無理に参加する必要性は薄いというのが現実でしょう。

逆に自分にとって大事だと思う会食であれば、無理してでも参加すべきだと思います。会食が投資だというならなおさらで、メリハリを付けることが重要です。

それでも嫌々参加せざるを得なかったり、実際に行ってみたら意味がなかったというケースはたくさんあると思います。
もしそのような時には、これから無理に会わなくてもよい相手を見つけ出すためのコストだったと考えればよいでしょう。今回の支出1回で、次の機会損失がなくなると考えれば納得できるはずです。

この話は会食だけでなく、ほぼすべての支出にあてはめることができます。

何のために購入するのかハッキリしている買い物は、基本的に失敗することがありません。しかし明確な理由がないまま買い物をすると、たいていの場合、ムダな支出となります。自分は何に対してならお金を支出できるのか、あらかじめ基準を持っておくことが大事です。

お金と上手に付き合うことが出来ている人は、この基準をいつでも認識しており、ブレることがありません。使うべき時には使う、使うべきではない時には使わないという白黒がハッキリしており、これが将来の豊かさをもたらすのです。

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