被災したとき、火災保険はどうもらう? どう続ける?【今さら聞けない!保険の基本 #4】

ライフ・マネー

朝日新聞社メディアビジネス局運営の金融メディア「START!」に掲載された人気連載をbizbleでも掲載。ファイナンシャルプランナーの加藤梨里さんが、保険についての役立つ知識を伝えます。

自然災害は、いつ、どこで見舞われるか、わからないもの。被災して自宅が壊れてしまったり、焼失してしまったりしたときに備えるのが火災保険です。

しかし、日常生活では、保険のことは忘れがちなもの。いざ使うときに、どんな書類をそろえて、どんな手続きをすればよいのかは、よくわからないこともあるでしょう。

そこで、自然災害に遭ったときの火災保険の手続きについて知っておきましょう。

被災をしたら保険会社に電話を

自宅が火災や水災などに遭ったら、火災保険を契約している損害保険会社か契約手続きをした保険代理店に連絡しましょう。保険会社には事故受付の専用窓口があり、大抵が24時間365日態勢で電話対応しています。

電話をすると、保険の契約者の名前や災害事故の発生日時、場所、被害状況などを聞かれます。わかる範囲で伝えると、その後に必要な手続きを案内してもらえます。

災害によって保険に関わる書類をなくしてしまったり、どこの保険会社と契約していたのかわからなくなったりしたら、日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」(※1)に電話してみましょう。災害救助法が適用された地域の個人の方なら、契約先の保険会社や契約内容を確認してもらうことができます。

保険金を受け取るために必要な書類

火災保険の保険金を受け取る手続きには、所定の書類が必要です。おもに必要となるのは、保険金請求書、印鑑証明書などの本人確認書類、事故内容の報告書、被害の状況がわかる写真などです。損害の状況によっても異なり、保険会社の担当者が案内します。

手続きの際には、保険証券に記載されている証券番号を聞かれることもあります。ただ、災害で保険証券をなくしたり、焼けてしまったりといった場合には、本人確認できるものや情報があれば代用してもらえます。

通常、保険金の請求には複数の書類が必要で、取りそろえるのに時間と手間がかかることもあります。しかし、災害救助法が適用された自然災害で被災した場合には、必要書類を一部省略できることがあります。その際は原則として、被災したことを証明する「罹災(りさい)証明書」が必要です。

罹災証明書はお住まいの自治体が発行するもので、建物の被害の原因と状況が記載されます。地域の役所で申請すると、現地の被害状況を調査の上、発行してもらえます。保険の手続き以外に、被災者向けの支援金の受け取り、融資の申し込み、仮設住宅への入居、社会保険料や税金の減免などの手続きでも、罹災証明書が使えます(※2)。

お住まいの地域が大規模な災害に見舞われて災害救助法が適用されたら、速やかに発行してもらうとよいでしょう。

保険金を受け取ると、保険は消滅する?

火災保険の保険金を受け取ったときは、その金額によって、その後の契約が継続されるかどうかが決まります。一般的には、1回の事故で受け取った金額が保険金額の80%(一部の住宅保険は100%)を超えると、契約が終了します。超えなければ、契約は満期日を迎えるまで有効で、保険金額もそのままです。なお地震保険の場合は、全損と判定されて保険金額の100%が支払われると、契約が終了します。

被災後に引き続き保険料を払わなければならない場合、状況によっては支払いが難しくなることもありえます。災害救助法が適用された地域の方には、猶予の措置があります。ほとんどの保険会社では、適用から2カ月などの一定期間までは保険料の支払いが猶予されます。また、被災後に満期になる保険契約があって、継続手続きが難しいときにも、適用から2カ月以内など一定期間は、手続きを猶予してもらえます。これらの猶予措置は火災保険に限らず、自動車保険や傷害保険も対象になります。

いざ自宅がアクシデントに見舞われたら、動揺してしまうこともあるかもしれません。日頃から保険証券の保管場所を確認しておいたり、契約先の保険会社の連絡先を控えておくなどしたりすれば、スムーズに対処できるのではないでしょうか。

※1.日本損害保険協会
※2.内閣府「防災情報のページ」

ライフ・マネー

FIRE論

仕事と人間関係の習慣づくり

ワクワクをつくる企画術